皆様、こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
今回も、ネットでも何処でも、ここだけしか「絶対に!」聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」をお教えいたします。

今回は、リスクアセスメントの進め方と、その大きな軸の1つである「状況評価」についてお話致しますね。

リスクアセスメントとは?

さて。
前回、防虫管理を導入するにあたって、まず最初に「リスクアセスメント」を行うべくだ、というお話をさせていただきました。

 

 

 

それでは実際に、「リスクアセスメント」とはどのように進めればいいのでしょうか。
具体的に話していきましょう。

まずリスクアセスメントは、次の2項目によって評価を下します。

リスクアセスメントの評価二軸
  • 状況評価
  • 管理評価

 

ざっくりと言ってしまえば。

「状況評価」とは、
ハード(設備構造)やその取扱い(ソフト)を中心とした工場の現状に対しての評価
のことであり、


一方「管理評価」とは、
防虫管理に対する工場のマネジメント(管理)という、ソフト(運用状況)に対するシステム的な評価
のことです。

「リスクアセスメント」では、これらを合わせることで防虫管理上のリスクを複合的に評価します。

状況評価とは

順に一つずつ考えていきましょう。
まずは、「状況評価」からです。

「状況評価」においては、工場の実際の状況がどのようになっているかを、客観的に評価します。

「状況評価」の評価対象は、主に次の三点です。

「状況評価の評価対象」
  • ヒアリング(担当者、現場従事者)
  • 過去のモニタリングデータ(防虫管理記録)
  • 現場の目視踏査(インスペクション)

(その他、過去のクレームデータや改善記録なども、あれば参考にしてもよいでしょう)

では、これらから我々は一体何を評価するのでしょうか。
そう、「リスクアセスメント」なのですから、当然「リスク」の度合いです。

そして、「リスク」といえば。
既に、工場における防虫対策上のリスクは、4つのレベルにおいて生じている、というお話をしましたね。

防虫対策上のリスク
  1. 環境リスク
  2. 侵入リスク
  3. 拡散リスク
  4. 発生リスク

 

 

 

 

ですから、ここはやはり、それらの4項目に対してのリスク評価をすべきでしょう。

また、防虫対策におけるリスクは、「ハード(設備構造)面」だけではなく、「ソフト(管理運用)面」においても生じることも説明しましたね。
よってその両面を合わせて評価していく必要があります。

 

 

どんな点をチェックするか(状況評価チェックリスト)

実際には、チェック内容は工場の特性ごとに様々であり、これ以上多岐に渡ります。
しかし、代表例を下に挙げておくことにします。
まずはこんなところからチェックをしていくといいでしょう。

また、もしご自身の工場で行うのでありましたら、
過去の防虫管理データにひととおり目を通した後、担当の現場従事者に声を聞きながら(ヒアリング)、
この表に基づきながら場内を目視踏査(インスペクション)するといいと思います。
下のチェック表に、○や×、△などを各自思うようにつけながら、現状を診断してみてください。

①環境リスクのチェックポイント
  • ハード(設備構造)面
    • 工場内外部灯火は、機能上或は配置などで昆虫の誘因を防止できる状況となっている
    • 施設内に汚水処理などの昆虫生息箇所が設けられている
    • 敷地内の緑地率はある程度抑えられている、或は製造棟から離れた配置となっている
    • 建屋周囲はアスファルト敷き或は砂利敷きなど、土壌に接していないつくりとなっている
    • 雨水溝からの昆虫の影響が少ない、或は建屋に対する防虫機能が備えられている
    • 廃棄施設は製造棟への影響が少ないつくりとなっている
    • 樹木は製造棟への影響が少ない状態にある(樹木種の選定上、配置上など
  • ソフト(管理運用面)
    • 緑地帯の整備がなされている
    • 雨水溝の清掃がなされている
    • 灯火管理が適切である
    • 場内の3S管理がなされている
    • 廃棄施設、外部倉庫などの管理がなされている

 

②侵入リスクのチェックポイント
  • ハード(設備構造)面
    • 外部開口個所には侵入防止機能を備えている(防虫シャッター、カーテン、エアシャワーなど)
    • ドアやシャッターに隙間、破損が生じていない
    • 差圧管理上、陰圧による外気流入の危険が少ない
    • 搬出入口は地面から高い位置に設けられている(地面とフラットな開放個所が少ない)
    • ダクトその他配管、ケーブルの引き込み個所に隙間がない
    • 製造施設その他に、外部や天井裏へと通じる隙間がない
    • 場内排水構造は、昆虫の侵入防止機能がなされている(水封トラップ他)
    • 屋外に亀裂、破損による隙間が生じていない
    • 場内灯火の漏えいによる昆虫誘因がしづらい機能が果たされている(防虫ランプなど)
    • 建屋に鼠の侵入が可能な隙間がない(エアコン冷媒配管、ダクト配管など)
  • ソフト(管理運用面)
    • 外部隣接ドアの開閉管理が不徹底
    • 高速シャッターあるいは防虫カーテンの使用方法に不備がある
    • 資材などの持ち込み防止対策に不備がある

 

③拡散リスクのチェックポイント
  • ハード(設備構造)面
    • 搬出入エリアは前室構造やインターロックになっており、昆虫がたやすく内部に入らないようになっている
    • エリア毎に間仕切りやゾーニング対策がなされ、昆虫の拡散を抑制出来ている
    • 捕虫器の設置数、設置個所が適切であり、侵入昆虫を捕殺できる状況になっている
    • 清浄区域(製造室)と汚染区域がダイレクトにつながっておらず、準清浄区域(通路や前室)で緩衝できている
    • 室内の壁天井の合わせ目などはコーキングされ、またヌケもない(内壁や天井裏からの侵入が困難)
    • 製造室内の壁天井に破損、劣化、クラックがない
    • 作業員の入場動線からの昆虫侵入の危険が少ない
    • 廃棄などの作業時の外部ドア開放時に侵入した昆虫が内部に至らないよう構造上工夫されている
    • 加熱時排気などで清浄区域が陰圧にならないよう吸排気バランスを設計、機能している
    • 場内、室内に鼠の侵入が可能な隙間がない
  • ソフト(管理運用面)
    • 場内ドアや間仕切りの開閉管理に不備がある
    • 資材動線上、昆虫の持ち込みがたやすい状況にある
    • 場外からダイレクトな台車、パレット、段ボール包材の持ち込みがなされていない

 

④発生リスクのチェックポイント
  • ハード(設備構造)面
    • 排水溝は清掃しやすい構造になっている
    • 壁面立ち上がりはアール構造になっている(破損、ヌケがない)
    • ウェットエリアはドライエリアと区分けされ、また床面の清掃がしやすく劣化しづらい塗装が施されている
    • 排水升内の残渣が除去しやすい状況になっている
    • ウェットエリアでは、床や排水溝の勾配が取られ、水はけがしやすい状況である
    • 冷蔵庫、冷凍庫周辺、エアコン周辺などの高温度差個所に結露が生じていない
    • 天井やエアコン吹き出し口その他にカビの発生がみられていない
    • 内部発生の可能性のある個所にはモニタリング用の捕虫器が適数適所に設置されている
    • 大型機械は、構造上清掃しやすいつくりになっている、或は分解点検が可能である
    • 内壁や床下などに汚水や穀粉などの昆虫の発生要因物が入りこむような隙間、破損が生じていない
  • ソフト(管理運用面)
    • 比較的清掃がなされており、場内が清潔に維持されている
    • 冷蔵庫やコールドテーブルのモーター部などに、チャバネゴキブリの糞跡がみられない
    • 天井の各点検口内に、ラットサイン(糞や足跡などの鼠の生息跡)がみられない
    • ウェットエリアの排水溝、排水升は清潔に維持され残渣などが残されていない
    • 穀粉使用エリア、保管エリアの清掃はすみずみまで行われている、コーナーや隙間に営巣跡がない
    • 清浄区域内に不要な長期保管物が保管されていない

 

 

 

ふう…。
ちょっとした工場では、これだけをチェックするだけで、結構大変だと思います(笑)。
ですが、かなりの現状を知ることができたのではないでしょうか。

まとめ

今回は、次のことをお話しました。

今回伝えたかったこと
  • リスクマネジメントは、「状況評価」と「管理評価」の二軸で評価する
  • 「状況評価」とは、ハード(設備構造)やその取扱い(ソフト)を中心とした工場の現状に対しての評価である
  • 「管理評価」とは、防虫管理に対する工場のマネジメント(管理)という、ソフト(運用状況)に対するシステム的な評価である
  • 現場を確認しながら、上のチェックリストを参考に「状況評価」を分析する必要がある

 

次は、その上表評価結果をもとにどのように診断するかをお話致します。

では、今日はこの辺で。

■□貴方の工場・店舗で悩んではいませんか■□
・どうやって防虫管理・衛生管理をすればいいか判らない
・今やっている防虫管理・衛生管理が正しいか判らない
・何か問題が発生したときの対応が判らない
・取引先や保健所の査察が不安だ
・でも余りコストもかけられない
だったら貴方が防虫・衛生管理のプロになればいいのです!

高薙食品衛生コンサルティング事務所にようこそ
  • 私達は、どんな工場、お店の方でも防虫管理・衛生管理のプロレベルに育成することが出来ます。
  • 何故なら、防虫管理・衛生管理のプロとは、基礎知識に加えて「正しい管理の仕組み」を作れる能力を持つ者のことだからです。
    この「管理の仕組み作り」を知るこそが、防虫管理・衛生管理のプロへの道なのです
  • そんな防虫管理・衛生管理のプロを育成し広めることで、日本の「食の安全安心」を、さらにより広く、より高くさせることが私たちの使命だと信じています
  • どうですか?
    そんな防虫管理・衛生管理のプロにあなたもなって、本当の「食の安全安心」を私達と一緒に広げていきませんか?