皆様、こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。

これまで、「防虫管理」という経営上のリスクマネジメントについて、色々とその基礎をお話してまいりました。
それらの基礎を踏まえながら、更に次の段階に話を進めます。

皆さんの工場でも、様々な防虫対策を実施していると思います。
自動高速シャッターや防虫用カーテン、或いはライトトラップ(青白い灯火で虫を誘引して捕殺する光学式の捕虫機器のことです)といった防虫用ハードウェアを導入したり。
或いは、ドアの開閉管理をルール化したり、夜間の不必要な灯火を消したり。
排水溝を毎日清掃するのだって、大切な防虫対策です。
また場合によっては緑地帯を薬剤によって殺虫施工したりもしているかもしれませんね。
これらのことは何故やっているのか、何を目的として行われているのか、考えたことがあるでしょうか。

「防虫対策」なのだから、虫を減らすためにやっているに決まっているではないか。
成程。であれば、もう少し切り込んでお尋ねいたします。
それらの各「対策」は、どんなリスクへの対応を目的に行っているのですか。

そもそも「対策」というのは、何かの問題やリスクに向かうために行うものです。
企業が「対策」を行うのであれば、相応の効果がなければみすみすコストを捨てることになるのですから、当然そこには想定されるリスク回避なりがあってしかるべきです。
そしてこの防虫対策は、「防虫管理」というリスクマネジメントのために行うものですから、各々はそのリスクを踏まえたうえで行われるのが妥当でしょう。
それでは、工場における「防虫管理」上のリスクはどういったものなのか。
これを整理しておく必要があります。

結論から言えば。
全ての防虫対策は、工場の「防虫管理」上で想定される次の4つのレベルのリスクのために行われています。

①環境リスク対策
②侵入リスク対策
③拡散リスク対策
④発生リスク対策


1.環境リスク対策

「環境リスク」とは、工場外部周辺に対しての環境的なリスクのことです。
管理対象外である外部自然環境には、工場サイドでは管理しきれない問題を無数にはらんでいます。
しかしそれらに少しでも働きかけることによって、工場への影響を軽減することは可能です。
緑地帯の選定から、その整備、落葉清掃。雨水溝や排水溝、あるいは外部グリストラップや汚水槽などの定期清掃。周辺環境での3S管理。
こうした工場敷地内を中心とした、工場内への影響軽減としての外側での対策がこれにあたります。
更には不必要に建屋に昆虫を誘引させないための灯火管理、外灯の防虫処理といった誘引源対策も、こうした環境リスクに対しての対策となるでしょう。
言ってみれば、「工場への影響を事前に減らす」、「予めリスクを減らす」というリスク軽減対策です

2.侵入リスク対策

「侵入リスク」とは、外部環境から管理領域である工場に侵入する昆虫に対するリスクのことです。
ドアやシャッター、窓の開閉管理、あるいは隙間対策から差圧による流入防止などといった、工場の建屋としての機密性を高めるための対策がここに含まれます。
更には持ち込み対策のためのエアシャワーや、場合によっては開口部床面に対しての持続性のある薬剤による忌避対策なども、このリスク対策の一環です。
工場に昆虫を侵入させないための対策、つまりはリスクを「持ち込ませない」対策と考えると判りやすいかと思います。

3.拡散リスク対策

1や2を経て侵入してしまった昆虫に対し、その昆虫が生息を続け、移動することによって工場内にリスクを拡散させてしまう状況を「拡散リスク」といいます。
このリスク対策は、「拡散防止」の目的に基づいて手段別に大きく以下の二つに分けられます。

①いかに昆虫の生息を清浄区域(製造室内)に至らせないようにするか
②いかに昆虫を速やかに駆除するか

製造室内に入れさせないためのゾーニング対策、各ドアの開閉管理対策などといった場内の間仕切り対策などは、①にあたります。
一方、ライトトラップによる捕殺対策は、②のメインとなるでしょう。
いずれにせよ、その目的は工場内での生息拡散防止、つまりは「拡散」させない、「リスクを広げない」というものであることを理解してください。
更に言えば、内部発生要因昆虫についても、それを拡散させないための対策としてこれらは重要なものとなります。

4.発生リスク対策

1や2を経て侵入してしまった内部発生の可能な昆虫を、内部発生要因へとリスク拡大することを抑えるための、発生防止(あるいは予防)対策が、この「発生リスク対策」です。
昆虫の発生を抑止するような清掃対策、環境づくりやルールづくりなども重要な「発生リスク対策」といえるでしょう。
いわば、「リスクを増やさない」対策です。

以上、すべからく防虫対策は、これらの4つのリスクの抑止のために施されるものです。

つまり、「防虫管理」という観点からみると、すべての防虫対策は工場という「管理領域」に対して、

①環境リスク対策=目的:「リスクを予め減らす」
②侵入リスク対策=目的:「リスクを持ち込ませない」
③拡散リスク対策=目的:「リスクを抑える(広げない)」
④発生リスク対策=目的:「リスクを発生させない」

といった4つのレベルのリスクに対して、それぞれ行われている、ということです。

これを昆虫の分類に当てはめると、このようになるでしょう。

次回、もう少しこれらを細かく整理したいと思います。
では、今日はこの辺で。




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