工場の防虫対策のプロがその基礎を「本気で」教える、このシリーズ。
4回目の今回は、防虫管理における「ソフト」と「ハード」の捉え方についての話をさせていただきます。
改めまして、皆様こんにちは。
高薙食品衛生コンサルティング事務所です。
ここだけしか聞くことの出来ない神髄中の神髄、
「プロが本気で教える衛生管理」を、毎日皆様にお教えしています。
- 問題の要因分析には、「ソフト」と「ハード」という考え方が重要である
- 「ソフト」上の問題とは、「管理運用」という「ヒト」に関係する要因によって起こる問題である
- 「ハード」上の問題とは、「設備構造」という「モノ」に関係する要因によって起こる問題である
- ソフト、ハードの区分けが間違っていると、対策の効果がなされない危険がある

目 次
おさらい:「衛生管理屋さん」の仕事とは?
前回は、私たち「衛生管理屋」がどのようなことを仕事としているのか、その根幹を踏まえながら、工場の防虫管理の本質についてのお話をさせていただきました。
つまり、防虫管理とは「評価」、「問題」、「要因」、「対策」という4つの要素で出来ているのだ、ということです。
- 評価
- 問題
- 要因
- 対策

工場において、これらの4要素を適切に行うことが、我々の衛生管理、防虫管理における重要な仕事です、というお話でした。
さあ、今回はここからもう少しだけ、先に進みます。
その要因は「ソフト」か「ハード」か
さて、これらの4要素のうち、②「問題」に対しての③「要因」について、それらを各々、次のように分けて考えていくことが重要になります。
つまり、ある問題が生じたときに、当然ながらその原因となっている「要因」があるはずです。
そして、その「要因」とは、「ソフト」つまり「管理運用面」での問題なのか、それとも「ハード」つまり「設備構造面」での問題なのか、それを分けて考える必要がある、ということです。
- ソフト上(管理運用面)の問題
- ハード上(設備構造面)の問題

ソフト上(管理運用面)の問題
「ソフト」とは、管理運用における「人(ヒト)」に関する事柄です。
例えば、場内の衛生ルールであったり、或いは従事者の教育に由来するものであったり、清掃や整理整頓などの5Sに基づくものであったり。
言ってみれば、人に関しての「管理」、あるいは何かを人が使うことに対する「運用」上での問題。
或いは情報、サービスといったものが不足、不適切、不十分なことによる問題。
いずれにせよ、それらは「ヒト」的な要素に不具合が起因している問題であり、それに対して対策提案をしなければいけない状況のこと。
それらの「管理運用」の問題を、総じて「ソフト」上の問題だと考えましょう。
ハード上(設備構造面)の問題
一方で、「ハード」とは、設備構造としての「モノ」に関する事柄です。
例えば、建屋自体や機械自体の構造的な不具合、劣化や破損、故障や欠陥などで生じているというような、モノに対して不具合が起因している問題。
或いは器具、機械の不足や不適切さによって問題が発生しているような場合。
そして、これに対して補修工事や購入・導入の必要な、設備投資が対策として求められる状況のこと。
それらの「設備構造」の問題を、総じて「ハード」上の問題だと考えましょう。

「対策」の効果は「ソフト」「ハード」の要因分析で決まる
実はこの考え方は、衛生管理においてもさることながら、なかんずく防虫管理を考える上で非常に重要になってきます。
何故でしょうか。
それは、「虫」とは、面白いほどにその環境を非常に反映させて生きる生物だからです。
この話は、もう少し先でじっくりと話そうと思っていますが、先回りするかたちで少しだけ触れておきます。
例えば、貴方の工場の中で、1匹の昆虫を見つけたとします。
貴方はそれをどう捉え、どういう措置を指示しますか?

「虫がいた」という事実に対しての、②「問題」、
では次の、その虫がいた③「要因」は何でしょうか?
「要因」とは、「何故?」です。
だから、この「何故?」を間違えると、問題の解決が出来ません。
だから対策が効果を果たせなくなります。
例えば、この虫は内部発生、つまり「工場内の清掃が足りなくて、発生してしまっていた」ものだとするとしましょう。
これはつまり、「ソフト」上の問題ですね。
そのような、「ソフト」(管理運用)面での不具合によるものだとしたら、当然ながらこれには「ソフト」(管理運用)面の④「対策」が必要ですよね。
だったらいくら「ハード」的に新しい設備を導入したって、この問題には清掃強化という「ソフト」面での対策をしないと余り意味がないでしょう。
そうではなく、今度は、例えば建物に破損があって、そこから入ってきたものだったとするとしましょう。
これは「ソフト」ではなく、設備構造的な「ハード」の問題ですよね。
このような「ハード」(設備構造)面での不具合によるものであれば、当然今度は逆に、「ソフト」ではなくて、「ハード」(設備構造)面の④「対策」が必要になってきます。
そうなると今度は、「ソフト」的な対応としての清掃をさせたって、まあ確かに工場が綺麗になること自体に多少の意味はあるかもしれませんが、少なくとも問題の根本的解決にはならないでしょう。
これらのことから、この「ソフト」(管理運用)と「ハード」(設備構造)という考え方をしっかり踏まえていくこと、それが防虫管理には大切なのです。

まとめ
第4回目の今回は、要因の分析における「ソフト」と「ハード」という考え方をご紹介いたしました。
この要因の「ソフト」「ハード」の区分けは非常に重要です。
なぜならそれによって対策の効果が変わってきてしまうからです。
そして、ですね、
いやだからこそ、というべきでしょうが、
実は!
これがプロにとっても、非常ーっ!に難しいのが、この世界だったりするんです。
以上、このように当ブログでは食品衛生の最新情報やPCO、防虫対策の知識は勿論、その世界で長年生きてきたプロだから知っているテクニックや業界の裏側についてもお話しています。
明日のこの国の食品衛生のために、この身が少しでも役に立てれば幸いです。

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